ジャガイモは素人栽培の定番で料理に役に立つ

ジャガイモの収穫

ジャガイモは、手間なく一度植えてしまえば後は、葉が枯れるまで特に何もする必要のない手離れのいい野菜だ。
注)実際にはジャガイモの芽がある程度伸びたら「芽かき」をした方が良い。

収穫後、使いきれない分は芽が出ないように冷暗所で保管すればしばらくの間、ストックが可能だ。

とは言ってもじゃがいもは何も考えずに植えれば育つわけではない。

皮がザラザラし斑ができる「そうか病」をはじめ、ウイルスや細菌による病気にかかる可能性がある。

以前、これを知らないため簡単であるはずのジャガイモ栽培に失敗したことがある。

そうか病

以前の話。ジャガイモを収穫できたのはいいが、表面がざらついている。

スーパーで見かけるツルツルしたジャガイモではない。

調べてみると「そうか病」であることがわかった。

「そうか、そうか病かあ」とボケてみたが妻は真剣。

妻の「対処法を見つけよ」という命令により調べたところ病気の原因は畑の細菌。

連作で土壌中の細菌が増殖したらしい。

土壌消毒剤を使う方法があるというが、無農薬にこだわりたかったので、植え付けの場所を変えることにした。

また土壌のPHも理想の5.5程度の弱酸性になるよう苦土石灰で調整。

その結果、今年は綺麗なジャガイモを収穫できた。

ジャガイモは重要な作物

ジャガイモは昔から飢餓を救う重要な作物として知られている。

日本でも天保の大飢饉では、この作物のおかげで飢餓から救われ「御助芋」と呼ばれたことからジャガイモとなった、ジャワのジャガトラ(ジャカルタ)語源説などと共に諸説ある。

アメリカでケネディ大統領が誕生したのもジャガイモが関係していた

またアイルランドではこのジャガイモの不作が原因の飢餓で100万人とも言われる餓死者を出している。

結果、アイルランド人がイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアに移住した。

その中にはケネディー大統領の先祖も含まれていたというからアメリカの歴史を作ったのもジャガイモが関係しているということだ。

火星で飛行士を救ったのもジャガイモ(フィクション)

映画「オデッセイ」でも火星に一人取り残された植物学者の飛行士が感謝祭用に持ち込んだジャガイモを栽培して命を繋いだシーンが描かれている。

映画「オデッセイ」予告編 YouTubeより

実際に火星の土を使った栽培は不可能だと野暮なコメントしている記事を見かけるが、ジャガイモは命の源、栄養の素、栽培しやすい作物だということを表現しているのだろうからそれでいいだろう。


というわけで、というか単に僕が食べたかったので、先ほど、ポテトサラダを妻にリクエストした。

他の具材がないが、コーンだけはあるという。

それでいいからとお願いした(そう、ここが極めて重要だ。きちんとお願いしないと作ってもらえないのだ)。

大葉に乗ったポテト。
冷蔵庫に保存してあったジャガイモを電子レンジで加熱してほぐす、そこに、やはり収穫して冷凍保存していたコーンとマヨネーズ、マスタードを加えて完成だ。
ちなみに大葉も自家製、スーパーで数枚で100円前後しているのをみて驚いた。庭に使いきれないほどあるのだから。

 

ジャガイモ畑。左の列から北アカリ、タワラヨーデル、インカのひとみ。

注)手間いらずと書いたが、ジャガイモを大きく育てるのには芽かきが必要。タネイモから伸びた芽が地上に顔を出し丈が15~25センチくらいに成長したら、1株あたりの芽の数を減らす(芽かき)。養分の分散を抑えるとジャガイモを大きく育てることができる。

ジャガイモの基本情報

名    称 :ジャガイモ
英名・学名: Potato・Solanum tuberosum
形 態 :多年草/冬季休眠/塊茎
原産地 :南アメリカ(アンデス山脈の高地)
樹 高 :60cm~80cm
収穫期 :6月下旬~9月
耐寒性 :やや弱い
耐暑性 :弱い
特性・用途 :水はけ、日当たりを好む。連作を嫌う(2~3年おく必要がある)。
適正PH:5~6の弱酸性
コンパニオンプランツ:マリーゴールド、ナスタチウム、ネギ・ニラ・ニンニク・チャイブなどのネギ類、豆類
注)ただしネギ類と豆類を一緒に植えるのはNG

栽培で注意すべき点

塊茎を食用にするには、土寄せをし、生育の途中で光に当てない工夫が必要。塊茎が日光に晒されると毒性が発生し中毒を起こすことがある。
時々新聞に載る、食中毒の記事の原因がこれだ。

ジャガイモの種類とおすすめの調理

男爵
関東以北で人気の品種。
ジャガイモの定番 コロッケ等の調理向き

メイクイーン
これも定番の一つ、やや粘りけがあり舌触りが良い。
通常の調理であれば煮くずれしにくいのでカレーやシチュー向き。

キタアカリ
カロチン、ビタミンCが豊富で、食感は舌触りが良い。
サラダ、スープ等に向いている。

インカのひとみ
男爵、メイクイーンに比べでん粉価が高いため煮崩れしにくい。
煮物、サラダ、フライに適している。

タワラヨーデル
さつまいものような褐色のジャガイモで、2000年に登録された新しい品種。
加熱に強く、煮くずれしにくい、またホクホクした食感のためマッシュポテトやポテトサラダを作るのに適している。

今回植えたのは、キタアカリとインカのひとみ、そしてタワラヨーデルの3種類。