検索キーワード

弁当は暖かいうちに蓋をしてはいけない理由

 間もなくやってくる梅雨。

 弁当づくりにも頭の痛い季節がやってくる。

 弁当の中身や保存の仕方、持ち運ぶ環境によっては最悪な場合、食中毒を引き起こす可能性がある。

 ではどんな場合にトラブルが起きるのだろうか。

 そして、対処はどうすればいいのか。

弁当箱は温度が常温になってから蓋をする

 弁当に入れるご飯は白米でも炊き込みご飯でも、炊きたては思いのほか熱いもの。

 ご飯が熱いまま弁当箱の蓋をしてしまうと、周りのおかずの温度が上がってしまったりご飯の水分が水滴となり食中毒の原因となる菌を増殖させてしまう。

 それより何より、水分でご飯がべちゃべちゃになり美味しくなくなるのが問題だ。

 折角、時間をかけて作った弁当が残念なことになりかねない。

 また、それは弁当箱の素材によっても影響を受ける。

 一番のおすすめは、ヒノキの曲げわっぱ。

 適度に水分を吸収してくれて、ご飯を美味しく保ってくれる。


柴田慶信商店の弁当箱 

 

弁当箱にはご飯を先に入れて冷ます

 朝の忙しい時間、弁当を作るだけでも手一杯なのに、弁当を冷ますのにも時間がかかる。

 弁当の中身を冷ますには

一番冷めにくいご飯を先に弁当箱に詰めて冷やす時間を確保する。

ご飯の粗熱を取っている間におかずづくりをする。

 揚げ物や炒め物など熱を加えたおかずは、弁当箱に詰めるのはお皿の上で十分に冷ましてから。

 また、卵は充分に火を通すようにし、竹輪やハムなども、そのままではなく必ず加熱調理、もしくは電子レンジ等で一旦熱を加えるようにしたほうが良い。

 (おかず類はなるべく使い捨てのアルミ箔でできた弁当用カップで他のおかずに接触しないようにすることも大切)

 できれば、朝食をとっている間も熱を冷まし食べ終わってから蓋をすることが習慣になればなおよい。

 

 いずれにしても、弁当の中身温度が常温になった頃、蓋をするのが理想だ。

食中毒菌の増殖は水分、栄養分そして温度に左右される。
そのため、弁当の中に詰めたご飯で水分や温度が上昇するのを避けなければならない。
多くの細菌は20℃〜50℃で増えやすく、特に食中毒を引き起こす菌は37℃前後で最も増えやすい。
いちど加熱した食品を50℃〜20℃までの間をいかに早く通過させるかが重要になる。
だいたい30分以内に食品の温度を20℃以下にするのが理想である。

 

弁当は持ち運びの間も温度の影響を受ける

 充分に冷ました弁当も持ち運んだり、職場や学校で昼食までの時間に保存場所によっては熱の影響を受けることがある。

 特に夏場は、布で包んだ程度の弁当は影響を受けてしまう。

 冷房が効いている事務所や教室であったとしても場所によっては温度が高くなることがあるので注意が必要だ。

 移動中は冷蔵用の保冷バッグと蓄冷剤の組み合わせなどで弁当を低温に保ち、職場や学校では可能であれば冷蔵庫に置いておければ理想的だ。

まとめ

 ❶弁当をつくるとき、弁当箱には先にご飯を詰めて粗熱を充分に取るようにする。
  できれば弁当箱にはヒノキの曲げわっぱがいい。
 ❷弁当の中身が常温になるまでは弁当箱の蓋はしない
 ❸弁当を持ち運ぶ時にも温度が上がらないように保冷バッグや蓄冷剤を使い、職場や学校に着いたら冷蔵庫で保冷する。
 冷蔵庫がない場合は蓄冷剤の量を多めにして保冷バッグのまま昼まで保冷する。
尚、蓄冷剤は布で包んでおくと水滴がつくことを防いでくれる。

梅干しは食中毒菌の増殖を抑える作用がある。
弁当に梅干しを入れるのも食中毒防止の方法の一つだ。