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名作チェア!CH24(Yチェア)を30年間使ってみて思ったこと

 椅子選びは意外と大変なものです。

 世の中には数え切れないほどの椅子が存在しますが、形も、値段も多種多様。

 その中で自分にぴったりの椅子を探し出すは容易なことではないです。

 そんな時に便利なのが、いわゆる名作椅子の中から選ぶことです。

 しかし、名作椅子はその値段はどれもが、びっくりするほど高価です。

 ただ、値段は高いが、一生モノになりうるのは、やはり名作椅子と呼ばれるものだと思います。

 この記事では、そんな名作椅子の中から、手に入れたら絶対に満足いく椅子を紹介します。

 ハンス J. ウェグナーがデザインし、カール・ハンセン&サンから発売されているYチェアです。

不朽の名作CH24(Yチェア)

 一日のうちで一番座る時間が長いのが、ダイニングで使っているYチェアです。

 今から30年前に購入しました。

 この椅子に座わると、Yチェア が世界中のファンに愛され続けている理由がわかります。

 とにかく座り心地がいいのです。


 1950年に発売以来、世界中で70万脚以上が使われているそうです。

 そして驚くことに、Yチェアの6割以上が日本で販売されているらしいのです。

 きっと、日本人の美意識にマッチしているんでしょう。

 このYチェア 、実は正式な呼び名ではありません。

 正しくはCH24が正しい名称です。

 Carl Hansenが手がけた24番目の椅子と言う意味です。

 ※以降はCH24(Yチェア)と呼称します。

 CH24(Yチェア)というのは椅子の背もたれの形状が独特なY字型をしているためそう呼ばれるようになりました。

 カール・ハンセン&サンの CH24(Yチェア) は沢山の魅力ある椅子です、長い間引き継ぐことのできる味わいと機能を備えています。

 価格は一番安いビーチ材ソープ仕上げ仕様で10万円ほどと高価ですが、それに見合うだけの価値があります。

 CH24(Yチェア) の魅力は、椅子としての基本の機能である座わり心地はもちろんですが、それ以外に年月を経て味わいが深くなるということ。

 我が家の CH24(Yチェア) は30年の時間を経て、今ではなくてはならないアイテムになっています。

360°どこから見ても美しいデザイン

 CH24(Yチェア) は背もたれと手すりがU字型になった特徴あるデザインです。

 ハンス J. ウェグナーが中国明代の椅子「圏椅」を原型にしたチャイナチェアを作り、更にそれを発展させた2つ椅子の一つが CH24(Yチェア) とされています。










チャイナ・チェア

 もう一つがジョンFケネディが愛用していたことで有名になったラウンドチェア、「ザ・チェア」です。

ザ・チェア





ザ・チェア

 この椅子もとても良い椅子なのですが、価格が途方もなく高いため購入を諦めた記憶があります。(正規品は軽自動車が買えるほどの値段です)

チャイナチェア→ラウンドチェア(JH501、ザ・チェア)          →CH24(Yチェア)  

 その点、CH24(Yチェア) は正規品で10万円程度なので一生モノだと思えば買えない金額ではありません。(もっとも30年前は4~5万円程度で購入できましたが・・・)

 そして CH24(Yチェア) には次に示す魅力があります。

 ①見た目のバランスに優れている。
 ②どの部分をとっても角がないデザイン。
 ③背中のフォルムが優しく背中を包み込んでくれる。
 ④座面のペーパーコードは一見、チープに見えるが実は優れもの。
  ・適度な強度があり、水を弾くため汚れに強い
  ・使っているうちに座面が変形して座る人の尻に馴染んでくる
  ・夏場は蒸れない、冬は暖かい
  ・軽量である


座面の標準高さは45cm

 かつて、CH24(Yチェア) のサイズは2種類ありました。

 ”ありました”と言うのは、現在は標準サイズのみが発売されているためです。

 座面の標準高さは45cmが標準サイズですが、そのほかに日本仕様として43cmのものが販売されていました。

 ちなみに、我が家の CH24(Yチェア) は日本仕様です。

 日本仕様は2016年に廃番になっています。

 なお、現在、座面高さ43cmを希望する場合は受注生産扱いになるそうです。

座り心地がいい理由!ぺーパーコードは使う人に馴染んでくる

 CH24(Yチェア) の座面に使われているペーパコードはスェーデン産の針葉樹から取られた天然パルプでできています。

 名前のペーパー(紙)から弱そうなイメージがありますが、天然パルプ製は簡単には破れません、貼り替えの目安は10年~15年といわれています。

 このペーパーコードは使い始めは固い状態ですが、使い込むにつれてその人のお尻の形に馴染んできます。

 それが CH24(Yチェア) が座り心地が良い理由です。

 時間とともに愛着が湧いてくるのも「徐々に自分専用の椅子になっていく」それが理由です。

正規代理店で修理が可能

 CH24(Yチェア) は🔗正規代理店で修理が可能です。

 ペーパーコードの張り替えをはじめカール・ハンセン&サンの正規代理店ではスキルを身につけた職人が対応しています。

 僕が座るYチェアは30年という経年劣化でペーパーコードの一部が破損してしまいましたが、修理に出すので問題はありません。

 年が明けたら、全面的な補修を依頼する予定です。

 ペーパーコードの張り替え、汚れの除去、ソープ仕上げ。

 目立ったガタつきは30年経ってもありませんが、念のためチェックを依頼しようと思っています。

Yチェアにリプロダクト製品はない

 CH24(Yチェア) には、リプロ製品やジェネリック製品はありません。

 2011年にカールハンセンジャパンの申し入れにより立体意匠権を取得が認められました。

 それ以前は CH24(Yチェア) を模倣した製品がリプロと称して市場にたくさん出回っていましたが、これを境にリプロ製品、ジェネリック製品は市場から消えました。

 おそらく裁判で勝てる見込みがないことがわかったためだと思います。

 リプロでもいいから、手頃な価格で”Yチェア”が欲しいと言う気持ちは、わからなでもないですが、是非、正規品のもつ本物の味わいを手に入れて欲しいと思います。

Yチェアの基本情報

 モデル名 :CH24  Yチェア (CH24 Y Chair)
 デザイナー:ハンス J. ウェグナー(Hans J. Wegner)
 製作会社 :カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Son)

 家具の世界をデザインと工業生産で結びつけたイノベーションを成し遂げたのがデザイナーのウェグナーとカール・ハンセン&サン社の創業者、カール・ハンセン。
 この椅子は発表から70年以上経った今も何万脚もの販売実績がありその数は伸び続けています。

The Wishbone Chair by Hans J. Wagner

The Wishbone Chair by Hans J. Wagner    YouTubeより

まとめ

 CH24(Yチェア)を30年使ってみた感想は、

 「買ってよかった。」です。

 世の中に名作椅子は数々あれど、この椅子はデザイン良し、座り心地良し、値段良し、更にいつでも修理ができる利便性のよさでは群を抜いています。

 30年前に比べたら今は、ちょっとお高めの価格になってしまいましたが、これから数十年使うのであれば全く高い買い物ではありません。

 部屋に上質なものがあるだけで生活が豊かになったように感じることができますよ。