Yチェア(CH 24)の座面はペーパーコードで出来ています。
長い間使っていると、劣化してくるのは避けられません。
しかし、Yチェアは修理ができるんです。
この記事では、Yチェアの座面(ペーパーコード)の貼り替えについて紹介します。
ペーパーコードとは
ペーパーコードは見た目が梱包用の紙紐と似ているので、強度が弱く、水に弱いといったイメージがありますが、実際はその構造も、強度も紙紐とは似て非なるものがあります。
強度に関しては、人の手でどんなに力を入れようと切れるものではなく、水に対しても表面がろうで仕上げてあるために、ある程度水がかかっても水を弾き、汚れも防ぎます。
紙紐が平たい紙を拠っただけの構造であるのに対してペーパーコードは天然パルプで芯が通った丈夫な紐で、さらに3本の紐が合わさって一本のペーパーコードになっています。
そのペーパーコードを専門の職人が丁寧に張り上げると、最初は固く張られていますが時間が経つにつれて使う人の尻の形に馴染んできます。
また通気に優れているため、周りの温度に影響されず夏は涼しく、冬は暖かい座り心地を実現しています。
さらに、素材の特徴である軽さが椅子そのものの軽量化に貢献しています。
修理プロセス:持ち込みから完成まで
修理のプロセスは、いたって簡単です。
以下に今回「アーテリア(後述)」に依頼した内容を紹介します。
修理の見積もりを依頼した後、椅子をお店に持ち込み、お店が梱包、送付先のカール・ハンセン&サンのリペア部門で修理が行われました。
修理完成の連絡を待ち、完成後に代金を支払い(今回は後払い)、椅子を受け取りました。
注意)これは僕がアーテリア(後述)に依頼したプロセスですので、他の場合はそれぞれ異なると思います。修理の窓口はネットで「Yチェア修理」で検索してみてください。最寄りの場所に、色々と見つかると思います。
見積もりの依頼
まず最初に、ペーパーコードの貼り替えに必要な、基本料金の見積もりを依頼しました。
この時、椅子の持ち込みは必要ありませんでした。
実際に現物を修理する際に椅子ガタツキ等木部の緩み等があれば、ペーパーコードの貼り替えの際に無償で修理してくれると説明がありました。
ただし、ガタツキ以外でパーツの破損等による部品交換が必要な場合は別途見積りが必要です。
椅子の持ち込み
基本料金の見積り後、持ち込みの日程の連絡があり、修理する椅子2脚をお店に持ち込みました。
梱包・発送
お店は、輸送のための梱包をし、カール・ハンセン&サンのリペア部門へ発送。
修理(カール・ハンセン&サンのリペア部門)
送られた椅子は、カールハンセン&サンのリペア部門で、ペーパーコードの張り替え作業が行われました。
完成
修理を依頼した椅子には真新しいペーパーコードが貼られ、30年前に購入したYチェアが新品に戻ったかのように再生されていました。
座面は新品同様、少し硬めに仕上がり、再び、これを使う人(僕のことですが・・・)に徐々に馴染んでいきます。
修理完了後のYチェア、座面が新品に生まれ変わっています。
カール・ハンセン&サン認定店 アーテリア
今回Yチェアの修理をお願いしたのは群馬県高崎市にあるカール・ハンセン&サンの正規代理店「アーテリア」。
お店の名前はアートとインテリアの造語だそうです。
このアーテリア、1階と2回に喉から手が出るほど欲しい品が展示されています。
写真撮影が許可されたのでいくつか紹介します。
1階の展示スペース。
フロアーは、実際の感覚を大事するため靴を脱いでの展示になっています。
丸テーブルはカールハンセン&サン BA103 Preludia Table
手前の椅子は、ハンス・J・ウェグナー P P68
憧れの、ルイスポールセンの電気スタンド。欲しい〜!!
アーテリアの小川さんから過去のウェグナーの記念モデルを見せて頂きました。
手前:Yチェア(CH24)、チーク材で出来た2022年の限定モデル。
後ろ:ウェグナー生誕109年記念モデル。ペーパーコードをダブル平編み仕上げした特別仕様。
フレームはオーク材オイル仕上げ。
実際のお店にはここで紹介した以外にも、たくさんの名作椅子・家具が展示されています。
フロアーも実際の生活の感覚を体験して欲しいとの配慮から、靴を脱いでの展示になっています。
是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。
スタッフも皆さん優しい方ばかりですよ。
アーテリアの基本情報
店舗名:アーテリア
住 所:〒370-0073 群馬県高崎市緑町4丁目11-10
ウエッブサイト:https://www.arterior-n.co.jp/