僕の家には畳敷の部屋がない。
全ての部屋の床がフローリングの造りで、そのため我が家では椅子が必須になっている。
ダイニイングで使っているYチェアは毎日の食事の際に重宝しているが、いざ「くつろぐ」という段になるとどうも物足りない。
リビングにもっとリラックスできる椅子が欲しい。
家具ショップをいくつか回って椅子探しを始めたのが今から25年ほど前のことだ。
現在はインターネットを使えば情報は簡単に手に入る時代であるが、当時はそんなツールはなく、インテリア雑誌の情報を頼りにいろいろなショップを回るのが最善の方法だった。
くつろぐことを目的に探した椅子
雑誌で家からそう離れていない家具ショップを知り、そこで見つけたのがモーエンセンのスパニッシュチェア。
なぜこの椅子を購入したのかというとそのショップのスタッフに強く進められたのが一番の理由。
彼女は僕らのくつろげる椅子というリクエストに応え、この椅子を勧めた。
それも非常に熱心に。
話をしているうちに彼女自身がこのスパニッシュチェアに憧れを持っていてるが、とても気軽に購入できるような値段でなく、諦めているのだという。
この椅子は、いわゆる名作椅子である。
デンマークを代表するデザイナー、ボーエ・モーエンセンの作品。
彼女のいうとおり価格はそう簡単に購入を決められるような額ではなくしばらく考えていたが、ちょうど賞与が出た後だったのと彼女の想いのこもった説明に購入を決めた。
その彼女は搬入の際に我が家に来て、リビングに設置された2脚の椅子を見て「やっぱり素敵じゃないですか」「いいなー」を連発していた。
彼女の担当業務では普段は客先への商品の搬入はしないらしいが、椅子への憧れとこの椅子を購入した客の部屋への興味で搬入に同行したそうだ。
あれから随分時間が経ったが彼女はこの椅子を手に入れただろうか。
この椅子に座るたびに気にかかるのだが・・・。
座面の皮が劣化してきているので修理を予定している
正規の修理では高額になると思うので、自己流ではあるが自分で直そうかと今から準備中だ。
スパニッシュチェアーの基本情報
モデル名 :Model 2226 The Spanish Chair
デザイナー:ボーエ・モーエンセン(Borge Mogensen)
製作会社 :フレデシア・ファーニチャー(Frederica Furnitur)
ボーエ・モーエンセンはウエグナーと並ぶデンマークの代表的なデザイナー。
シンプルかつ実用的な株をリーズナブルな価格で提供することを信念としてデザイン、1959年から販売が開始された。
スパニッシュチェアーはスペインの貴族が愛用していた椅子がモデルになったためこの名前がつけられた。
「使えば使うほど自分に近ずく」とはボーエ・モーエンセン本人の言葉
ボーエ・モーエンセンの信念とは裏腹に現在の2021年現在、この椅子の価格は873,400円/脚ととんでもない価格になっている。
注)価格はネットでの調査より引用