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【簿価とはモノの純額である】海外出張でカバンを盗まれた時のはなし

  • 2022年5月24日
  • 2023年1月11日
  • 雑考

海外で盗難にあったらどうしますか?

盗まれないようにするのが一番ですが、仮に盗難にあった場合にどうすれば良いか、事前に考えておくことって大事ですよね。

これは僕が現役時代にアメリカで経験したはなしです。

同じような経験をすることは稀かと思いますが、もしもこのような場面に遭遇した場合の対処法として参考にしていただけたらと思います。

カバンがない!

今から20年ほど前のこと、アメリカ出張の際の出来事です。

市場調査のため現地のスーパーマーケットを視察していたときのこと、駐車場に停めていた車に置いていたカバンが盗まれたのです。

同僚の分も含めて、全部で4つのカバンが盗難にあいました。

すぐに地元の警察に連絡し待つこと約30分、警察官のヒヤリングで盗難届を提出しました。

帰国後、カバンの中身は全てカード決済で購入していたためエビデンスがありカード会社の補償で全額返金されました。

しかし、会社の備品として携行していたノートパソコンは当然ですが、補償の対象にはなりませんでした。

私物分の金額はなんとか戻りましたが、会社の備品は対象外。


幸い、パソコンには、ほとんどデータは入っていなかったため情報流出は免れましたが、現在ならば相当大きな問題になっていたでしょう。
(実際、当時の経営企画室長が幹部から始末書の提出を求められたと後から聞きました、すみませんでした。)

そして機器の補償の問題が残りました。

当時、同期入社の”O”が経理部長だったのですが、盗まれたパソコンを弁償しろと言ってきました。

簿価ゼロ


「あんな古い機器を弁償する必要があるのか?」と同期のよしみで猶予を頼んでみたものの、9万円の弁償金額をひたすら口にするだけで僕の話を聞こうとしません。

「幹部の〇〇さんもイギリスでパソコンを置き引きされたけど全額弁償したよ、君も弁償しなければダメだ」の一点張りです。

「あんな古いPCが9万円!」

盗まれたのは僕の責任ですが、どうもこの金額には納得がいきませんでした。

そこである策を講じました。


僕は彼に「ただ、金額を弁償するだけでは僕の気持ちが収まらない。今回の件は僕のミスだからきちんと始末書を提出させてほしい」と申し出て、次の様な文章を提出しました。

〇〇会社 〇〇事業部長殿

 今回のノートパソコンの盗難では会社に多大なご迷惑をおかけしました。出張時には”情報機器を肌身離さず携行すること”との社内規定に違反した私〇〇の責任です。盗難により会社、事業部にご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
機器の補償については、ノートパソコンの簿価に見合う金額をお支払いいたします。

                             〇〇開発部 〇〇

 

結果、簿価は0円。


経理のあいつから要求のあった補償金額の9万円を払うことはありませんでした。


言うまでもありませんがパソコンの古さからみて減価償却が完了していると考えての僕の作戦でした。

ただ、迂闊に盗難にあったのは僕の責任であり、始末書のほとんどは本心であったことを付け加えておきます。

皆さんも海外での盗難については十分に気をつけてください。

特に情報機器の盗難は現在ではとても大きな問題になりますのでご注意を。

 

海外で盗難にあった場合、クレジットカードによる補償があることを知っておいたほうが良い。
クレジットカードのランクにもよるが、入会時にはどのクレジットカード会社も物品の破損、盗難の補償や事故などによる傷害を補償するメニューを用意している。
僕が入会していたのは三井住友VISAのゴールドカード。

そのおかげで、社用のPCはともかく、カードで購入したプライベートの品物に関しては補償を受けることができた。
補償を受けるためには、いくつかの条件があるので覚えていた方がいいだろう。

・盗難にあった場合は盗難にあった日から30日以内の申請と盗難届出証明書を提出。

・補償はカードで購入した品物の対象期間が品物の購入日の翌日から200日以内。
                        (三井住友VISAカードの場合)
僕の場合はこの条件を満足したためにある程度、私物の盗難に関しては補償された。
盗難届も現地の駐在者の助けでオフィシャルな証明書を取得できたのが不幸中の幸いだった。
そのほかにもクレジットカードには色々な補償の機能が付いていると思うので、いざという時に慌てないためにも一度、自分のカードの保証内容を確認した方がいいだろう。