60歳になった人、定年後に再就職して65歳になった人は、その後はどうなるのか。
その年齢に近づいた人、まだまだその歳になるには何十年も先だと思っている人。
どんな人にも生きている限り、必ずその時がきます。
この記事では、定年、リタイア後の生活を真剣に考えることを提案しています。
フランスではリタイア後に慌てる人はいない
フランス人のほとんどは自分が定年、リタイアした後のことをあらかじめ決めているそうです。
フランス人には、定年になり仕事を辞めて呆然とする人はいないそうです。
さらに定年を過ぎてまで働く人はほとんどいないといいます。
例外的に、カフェなどの仕事を続ける人もいるそうですが、生活のためではなく、生きがいや楽しみのために続けるそうです。
ほぼ国民の全員が定年前に、リタイア後にやりたいことを決めていて、定年=次の幸せのスタートと考えているのだそうです。
日本の様に定年を過ぎてから、どうしていいかわからずに途方にくれる人はいないということです。
早く定年を迎えることが、この世の幸せと考えているのでしょう。
このことは、フランス全土で起こった、年金支給の年齢引き上げに反対するデモを見ても納得できます。
日本では定年後に途方にくれる不思議
日本では、現役時代にバリバリ仕事をこなしていた人が、一旦定年、リタイアすると、毎日何をやっていいいのかわからずに途方にくれる人がたくさんいるようです。
朝マックと図書館通いの毎日を過ごす人も多いそうです。
では、フランスと日本の違いはなんでしょうか。
フランスには金銭的なセーフティーネットがある
まず、生活の保障。
フランスには、最低限の金銭的なセーフティーネットが準備されています。
年金を含む収入が少ないと、医療費や税金が無料になる仕組みです。
そのために、定年を過ぎてまで仕事をしようと考える人がいないのです。
無理をしてわずかな収入を得て、税金を払うくらいなら何もしないほうがいいという考えなのでしょう。
一方、日本では会社から離れた瞬間、税金は会社からの補助がなくなり全額個人負担になります。しかも、最初の年は前年の仕事をしていた時の収入が基本になりますから、その負担はとにかく大きいのです。
定年になったからといって、生活が保証されているわけではないのです。退職金で老後は悠々自適な生活を送れたのは、はるか昔の話です。
年金を満額もらうためには65歳になるのを待たなくてはなりません。
そのため、最低限年金受給の年齢まではなんとか、給料が下がり、かつての部下に顎で使われようが、過ごし慣れた同じ組織での継続を選択をします。また新天地を求めて他に再就職をする人もいます。
不安の元は金銭的なことだけではない
ただ、途方にくれるのはこの生活の不安だけではありません。
もちろん、生活の維持は最大の関心事であることに変わりはありませんが、仕事を辞めて有り余る時間を何に使うのかも、大きな悩みの種です。
多くの日本人が定年後に直面するのがこの「何をしていいかわからない」ということで途方にくれるのです。
仕事をしていた時には「早く、週末になって休みにならないかな」と思っていたのにです。
定年前にやりたいことを見つけておく意味
おそらくですが、多くの人が、定年の直前まで定年後のことを考えていません。
私もそうでした。
日々の仕事でそこまで考えている余裕はないというのが正直なとところでしょう。
ただ、定年はいくら先のことだといっても、時間が経てば必ずやってきます。
定年後に今の仕事を継続しようが、何もしなくてもいい時は必ずやってきます(生涯、仕事を続ける人もいますが、稀有ではないでしょうか)。
その時に、大切なのが、そうなったら何をするのか、何をしたいのかを在職中に考えておくことです。
すでに定年してしまった人はどうすればいいか
すでに定年し、継続の仕事を持ってる人や何も拘束されることなく毎日が自由な人はどうすればいいのか。
今更という気持ちが強いかもしれませんが、定年してからでも自分のやりたいことを見つけることはできます。年齢的な制限も確かにありますが、諦める必要はありません。
時間は現役時代に比べれば、沢山あるのですから、その時間を使ってできること、したいことを探してみましょう。
昔やりたかったことで、できなかったことも一つや二つあるはずです。
思い出してみてください。
定年なんてまだまだ先だと思っている人へ
定年? そんなのずっと先だから関係ないと思っている人は、今から定年になるまでの時間と同じだけ時間を遡り、過去の自分を思い出してください。
その時から今までの時間がこれからやってくる定年までの時間です。
意外と短く感じませんか?
定年は必ずやってきます。
その時に自分は何をするのか、何をしたいのかを考えた方がいいのです。
まだ時間があるのなら、そのための準備をはじめてください、定年になってから決めるよりも選択肢をはるかに増やすことができます。
定年後のために今を生きるわけではありませんが、決して燃え尽き症候群にだけはならないで欲しいのです。
まとめ
すでに定年になった方やこれから定年を迎える人で、これが自分がやりたかったことだ、やりたいことだと胸を張って言えるのは、ごくわずかな人ではないでしょうか。
それほど、自由な時間を手に入れてから自分がやりたいことを決めたり、実行するのは不可能ではありません。
しかし、定年になる前からどうするのか決めていた方がずっといいに決まっています。
現役時代はがむしゃらに業務をこなし、仕事をすることが自分の全てだと感じてきた人も定年を迎えた瞬間、組織からは戦力外の通告を受けます。
その時に自分が何をするのか、何をしたいのかが明確になっているかどうかは、とても大切なことです。
野口聡一さんをご存知でしょうか。野口さんは宇宙に3度も行った宇宙飛行士です。現在はJAXAを早期退職をしていますが、その誰もが羨む人生でも2度目の宇宙飛行の後、10年以上、生き方を模索する期間があったと著書の中で告白しています。
(「どう生きるか辛かった時の話をしよう」 宇宙飛行士野口聡一著)
野口さんでもそうなのですから、定年後にやってくるであろう自由な時間を決めておくことはとても大切なことです。
定年になり、呆然とするのではなく「自由な時間を手に入れた、やりたかったことがこれから始まる」と思いたいですね。
そんな人生って素敵だとは思いませんか。