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野口聡一 本『どう生きるか、つらかったときの話をしよう』

  • 2023年12月12日
  • 2024年2月10日
  • 雨読

 野口聡一さんは日本の宇宙飛行士だった人です。

 「だった」と過去形なのは、野口さんはすでにJAXAを定年前に退職しているからです。

 この本には、野口さんが定年を待たずに退職した理由が書かれています。

 夢を実現した(宇宙飛行士になる)のに野口さんは ”なぜ10年もの間、つらかったのか?” と疑問を感じた方にオススメの本です。

この本を読むと「なぜ、野口さんがこんな本を?」という疑問が解消します。

 まず、このタイトル「どう生きるか、つらかったときの話をしよう」ってなんだろうか?という疑問が湧いてきます。

 宇宙飛行士になるのは、そんなに大変なことなの?

 いいえ、違います。

 この本は、宇宙飛行士の夢を叶えてから後の話について書かれたものです。

 野口さんは、何千倍もの選抜試験を勝ち抜いて、いわば人生の成功者と世間から思われていたのに、2回目の宇宙飛行を終えてから自分の進むべき道に迷い始めたと告白しています。

 そんなことあるの? 

 と思いながら、この本を読み進めていくと、なるほどそうか、と納得できます。

 宇宙飛行士に限らず、スポーツの世界で活躍したアスリートも同じように、現役を離れた瞬間に自分を見失ってしまう人が多いそうです。

 これは、宇宙飛行士やアスリートに限らず、普通の人にも、起こることです。

 会社でそれなりの地位にいたのに定年を過ぎた瞬間、拠り所を失ってしまった人にも、野口さんのような迷いが生まれます。

 程度の差はあっても、この迷いは、きっとあなた自身にも当てはまるはずなのです。

この本には「やりたいことが何もない」と思っている人へのヒントが詰まっています

 この本は
 
 ・仕事で良い結果を残せたが、なんとなく満足していない人。
 ・定年して自由な時間を手に入れたものの、やりたいことが何なのかわからない人。
 ・今の仕事に満足しているものの、リタイアしたら何をしたいのかが思い浮かばない人。

 こんな人たちにオススメの本です。

 野口さんの次のアドバイスを心に留めてみてください。

 これからどうすべきか、ヒントを与えてくれます。

 「他者の評価がすべてだと思ってしまうと、行き詰まるときがくる」本書 95頁より

生き方に迷っているのは自分だけじゃない

 世の中には、何をしたらいいのか、自分はどう生きたらいいのか、日々悩んでいる人が沢山いるはずです。

 野口さんが、宇宙飛行士という夢を叶えたにもかかわらず、どう生きたらいいか辛い日々を過ごしていたなんて驚きです。

 この本を読むと、生き方に迷っているのは、自分だけじゃないと確信します。

 世の中で、どれだけの人が宇宙飛行士になれるのか想像したことがありますか?

 野口さんはそれを実現したのに、生き方に迷ったと思い悩みます。

 やはり、自分の生き方を決めるのってそう簡単なことではないんですね。

どう生きていけばいいかわからない人へ

 この本には、どうしたら自分の生き方を決められるのか?

 野口さんが10年かけて悩んだ末に見つけた答えが書いてあります。

 厳しい訓練を経て宇宙に行った時は世界中から注目されるが一旦ミッションが終了してしまえば人の関心がなくなり、誰もその人には関心を示さなくなる。

 野口さんの辛い日々を送ることになった原因の一つです。

 また、これはレベルは違っても、会社員を定年で去ったら誰もその人に関心をはらわないこととすごく近い話だと思います。

 今までは誰かに評価されることが全てだった。

 宇宙飛行士の選抜試験、アメリカでの宇宙飛行士の訓練、宇宙でのミッション。

 全てが他人の監視と評価で成り立っていたと、野口さんは回想します。

 それは会社員であっても、同じ。

 他人の評価に頼るのではなく自分から自分のやりたいことを見つけて進む。

 この本で再三出てくるのが、自分のアイデンティティを見つけること。

 それが一番大切なこと。

 野口さんはそう語ります。

 

 野口さんは、本書の「おわりに」で人の夢を次の言葉で締め括っています。

 夢は本来自己実現のためのものです。
それを見つけるためには、自分に評価軸を戻し「自分は何をしたら、何になったら、心の底から幸せになれるのか」を自分に問うて見ることが大切です。

 

まとめ

 宇宙飛行士になった野口さんも、普通の会社員も、生き方に悩むのは同じ。

 厳しい訓練を経て宇宙に行った時は世界中から注目されるが一旦ミッションが終了してしまえば人々の関心がなくなり、誰もその人には関心を示さなくなる。

 会社でどんなに頑張ってきたとしても、一旦定年、リタイアして会社を離れれば、誰もその人には関心を持たなくなる。

 程度の差はありますが、基本は同じです。

 他人の評価に頼るのではなく自分から自分のやりたいことを見つけて進む、この本で再三出てくるのが、自分のアイデンティティを見つけること。

 それが一番大切なことだと野口さんは語ります。

 

 自分の生き方に迷っている方。

 本当に自分のしたいことはなんだろうかと悩んでいる方。

 是非この本を読んでみてください。

 これらの悩みは、自分だけではなく、誰もが悩んでいることなんだ、ということがわかります。

この本はそんな人に、多くのヒントを与えてくれるのではないかと思います。