前回、定年・リタイアしたら夫は家では徹底して我慢すべきだと言う内容の記事を書きましたが、それでは夫が可哀想すぎるという意見を頂戴しました。
改めて考えてみると前回の内容は、なるほど今まで頑張って仕事をしてきた夫の立場がないということに気づきました。
今回、続編では夫へエールを送る内容としました。
具体的な解決策は、夫の立場を守りながら定年後に妻と楽しく暮らすための前回と同様に、3つのことを提案します。
夫が定年までにしてきたことを思い出して欲しい
定年・リタイア後は、今まで苦労かけた妻への恩返しのつもりで、旅行を提案します。「今まで苦労かけたから、今度海外旅行にでも、行こうか?」と夫が妻を誘うのは、決して自分に余裕ができたからではありません。純粋に妻への感謝の気持ちからです。
それを「あなたと旅行をするなんて、考えただけで嫌」などという反応は、あまりにも夫が可哀想で、失礼です。
夫は妻が、家で煎餅かじりながら昼メロ観ている間(昭和か?)に、必死で働いてきたのです。それを自分の自由な時間が奪われると思い、定年・リタイアで家にいるようになった夫を邪険に扱うのはいかがなものでしょうか。
せめて、旅行に行こうと誘われたら、喜んだふりをするのも妻の思いやりではないでしょうか。
先日もある新聞記事で定年後に妻から週に3日は家から外に出て欲しいと言われ、仕方なくコンビニで買ったおにぎりを2つ持ち、琵琶湖を周遊する環状線に乗って読書をしているという夫の話を読みました。
なんとも悲しい話、悲惨な話ではないですか。
その記事を横から読んでいた妻は「へえ~、週3日なんだ、私だったら7日ね。ずっと外に行ってて欲しい」などと申しておりました。
何様だ!
声に出して言ったらきっと「お互い様!」、「ご苦労様!」と言われそうだったのでグッと言葉を飲み込みました。
世の妻たちよ、もう一度、あなたの夫が今までどれだけあなた方のために働いてきたか思い出してください。そして、あなたの言動を反省してください。
そうそう、前回の記事で夫が家族を扶養するのは民法でも定義されていると言いましたが、よく文章を吟味してみると「・・互いに協力し扶助しなければならない」とあり、はっきりと相互協力扶助義務を守るべきだとうたっていることに気づきました。決して義務なんかじゃない、お互いに協力しなさいということなんです。
※民法 第752条で「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。 夫婦の相互協力扶助義務を表しています。配偶者に対して「生活保持義務」と「生活扶助義務」の扶養義務があるということです。
妻からみた夫の定年・リタイア
妻は夫の定年・リタイアを正直、どう思っているのでしょうか。
確かに定年まで働いたことに感謝をしている妻も、この広い世の中にはないわけでもないと思います(ほとんどいないとは思いますが)。
最終日の夜、帰宅した夫に玄関で三つ指ついて深く、長い間ご苦労様でしたと深々とお辞儀をする姿が見えます(幻覚か)。
ところが実際は、多くの妻たちの関心事は夫の退職金についてです。
さらに、ほとんどの妻は、今までずっと夫の留守を守ってきた自分にそれを所有する権利があるはずだと考えているのです。勝手です。
三つ指をつくのは、夫にではなく退職金に対してです。
そして、夫の歳が60歳でまだ年金の受給まで時間があることに気づくと、妻は、夫に再就職を勧めます。「まだ完全にリタイアするのは勿体無いよ、あなたの才能を埋もれさせるのは惜しいから、どこか再就職すべきよ」と昼間に夫を家から追い出す口実にもなると思っているのです。
「てめえは煎餅かじってテレビかよ!😠」(失礼、言葉が汚くて・・・)
事実、定年後に再就職した人たちに尋ねると、「家にいても邪魔にされるからね」という答えが返ってきます。
何れにしても、妻は夫の定年で家にいるようになるのをどう阻止しようか考えています。
最近、政府や世の中が言い出した「人生100年時代」の言葉を持ち出し、夫の就業期間をギリギリ遅くまで引き延ばそうと考えていることは確かなようです。
ですが夫は定年になってやっとしがらみから解放されて、自分が本当にやりたかったことが出来ると期待しています。
この際、夫がやりたいことを妻は認めてあげてください。夫に行きたい場所があるなら行かせてあげてください。やりたいことがあるなら、やらせてあげてください。
夫にはそうする権利があると思うのですが、いかがでしょうか。
定年後を自由に過ごすための妻との付き合い方
そうはいっても定年・リタイア後は妻との関係は良好にしておかなければなりません。それを実現するにための解決策は今回も3つあります。
⒈ 妻と夫は自分の居場所を作り、お互いに干渉しないようにする(前回と同じ)。
⒉ 夫が身なりをきちんとするために必要な費用を妻は認める。
⒊ 夫と妻、どちらも相手を尊重して腹がたっても決して怒らない。
これが妻との良好な関係を保つ条件です。
1.夫と妻、お互い干渉しないような物理的な環境をつくる
夫と妻はそれぞれの生活環境が異なります。特に専業主婦の場合は家が彼女の生活拠点そのものなのです。
そこで過ごす時間は圧倒的に妻の方が長い。
夫の休日や少し長いゴールデンウィークやお盆、年末の休みには夫が家にいることになりますが、夫が現役時代、夫はゴルフに誘われたりして外出します。また、妻は休みが終われば夫は、また元どおり会社や仕事に出かけていくことを知っています。
なので、なんとか我慢できているのです。
ところが定年・リタイアした場合は夫を誘う人もいなくなり、期限付きの休みもなくなります。そうすると、妻の我慢も限界に達します。
それを回避するのがそれぞれが専用のスペースを確保すること。それぞれの生活範囲を分ける必要があるということです。
その際注意しなければいけないのが、それぞれが勝手に生活圏を決めないということ。お互いに相談の上、了承した上での生活圏の決定が必要です。
とは言っても家は全て妻のテリトリーなので、一部を夫に分け与えると言った方がいいかもしれません。
夫が占有するスペースを妻に許可をもらうことになります。
専用の部屋があるのなら、そこが夫のテリトリーです。それほど余裕がない場合は居間のコーナーに机と椅子を置いてそこを夫専用スペースとして認めてもらう。
それが一番大切なことです。
もう一つ、それぞれが生活に干渉しないように済ませるための方法があります。
弁当作りです。
テリトリーを分けたとしても、昼食をどうするかが問題になります。
昼食は妻の仕事、はたまた交代制で昼食作りをするというのも、トラブルの原因になります。
それを解決する一番の方法が弁当です。
朝、弁当を用意することで夕方までそれぞれが自由に時間を過ごすことができます。ただ夕食だけは一緒に摂りましょう。
せめて、その時間くらい残しておかないと夫婦の意味がなくなります。
夕食作りは夫が現役時代から続いていることなので、おそらく妻の負担はそれほどないと思いますが、時に夫が夕食作りをしてみてはいかがでしょうか。少しはポイントがあがるはずです。(ただしそれが原因で関係が最悪になる場合もあるの十分注意してください)
2.妻を落胆させるような身なり、態度は決して取らない。
妻が、定年・リタイアした夫にがっかりする理由に、見栄えがあります。
会社に行かなくなるとどうしても夫は生活がだらしくなります。服装も無頓着になってしまします。一日中、パジャマでいたり、スエットで過ごしたりします。
ただ、一日中、パジャマやユニクロで買った廉価の服を着ているのは、収入がなくなったために、洋服にお金をかけることに抵抗があるからです。
妻の皆さん、夫にちゃんとした服装をして欲しいのだったら、それなりの洋服を買ってくるか、これで好きな洋服買ってきて、とお金を渡してみてはいかがでしょうか。
夫は、服装に無頓着なわけではなく服装に散財するのを避けているだけなのです。
妻たちのように「アウトレットで素敵な洋服見つけたので、買っちゃった!」と数万円の洋服を買うように、気に入った服が欲しいのです。
決して、好き好んでパジャマやスエットでいるわけではないのです。
3.お互いどんなに腹がたっても決して怒らない。
人間、歳をとってくると些細なことで怒りやすくなります。更年期によるホルモンの不足によるという説もありますが、残りの人生が少なくなってきたことを自覚するためについ、些細なことが気になるのだとおもいます。世に言う、キレ爺いなどもその類です。
ただ妻が一方的に夫の欠点を指摘するのはいかがなものでしょうか。夫にも妻の言動、行動にひとこと言いたくなることがあります、ただそれを我慢しているだけなのです。
お互いにどんなに腹がたっても我慢することが必要ではないのでしょうか。
これから更に年齢を重ねていけば、残り時間がもっと短くなり、諦めの境地に入るでしょう。その時はもう怒る気力もないと思うのでそれまでの辛抱です。
一方的に怒るのはやめましょう、お互いをいたわりましょう。
それがこれからの残りの人生を楽しく過ごすコツだと思います。
まとめ
夫が定年・リタイアして、家にずっといるようになる。
この経験は妻にとっても夫にとっても初めての経験です。対処法に迷うのは当然のことです。
ただ、一番大切なことを忘れないでください。夫が定年・リタイアしたと言うことは、残りの人生が見えてきたと言うことです。
若い頃は定年・リタイアはイメージし難いことでしたが、実際に夫がリタイアした今は現実なのです。人生の残り時間が見えてきたと言うことなのです。
もう一度、若かった頃を思い出してください。妻も夫もずっと一緒にいたかったはずです(幻覚だったかもしれませんが・・・)
とにかく残りの時間は限られています。
楽しく過ごしましょう。